借金の債務整理トップページ > 【コラム35】債務整理にどのくらい時間がかかるのか?

定期コラム

【コラム35】債務整理にどのくらい時間がかかるのか?

手続きを開始した時点で取り立てや支払いは一旦停止

多重債務を抱えたみなさんが気になるのは、債務整理にどのくらいの時間がかかるのかということではないでしょうか。 

債務整理には任意整理・特定調停・個人民事再生・自己破産があります。どの債務整理においても、弁護士や司法書士を通じて債務整理を行えば、手続きを開始した時点で取り立てや支払いは一旦停止となりますのでご安心ください。

また、これまでの返済内容によっては違法金利の分が払い過ぎているため、過払い金請求の手続きを行えばお金が戻ってくる可能性もあります。ですので、返済にお困りであれば、早急に手続きを始められたほうがいいでしょう。

今回のコラムでは、債務整理の手続きがどのような流れでどのくらいの時間がかかるのかをご説明していきます。それぞれの債務整理のメリットやデメリットなどの詳細については、以前のコラムにも記載してありますのでそちらをご覧ください。期間や流れは依頼する弁護士や司法書士にもより若干異なりますので、あくまでも参考としていただければと思います。

任意整理の流れとかかる時間

かかる期間:3ヶ月~6ヶ月

任意整理は、裁判所を介さず債権者である貸金業者と直接やり取りし、和解や返済計画の変更を行います。債権者が取引履歴を出すまでにかかる期間や両者が納得のいく返済計画がみつかるかどうかによって異なります。

個人で任意整理を行うと、貸金業者側が強硬な態度をとり話し合いに応じてもらえないことや、和解がなかなか成立しないときは期間が長くなるでしょう。また、個人で交渉した場合、取立てや催促の電話が即時ストップする例はほとんどありませんのでご注意ください。以下、手続きの流れは弁護士や司法書士など法律の専門家に依頼した場合となります。

●手続きの流れ

  1. 債権者へ弁護士・司法書士から受任通知書を発送する。
  2. 取引履歴を取り寄せ、利息制限法に基づき引き直し計算をする。
  3. 和解案を作成し債権者との交渉をスタート。
  4. 債権者の同意を得たら和解書を作成し交渉成立となる。

●過払い金が発生していた場合

過払いが発生している場合は元金に充てられ、完済後でも過払いが発生していればお金が返ってきます。取引履歴をすぐに郵送してもらい引き直し計算をし、債権者との交渉がスタートします。すでに完済している借金であっても、10年間は過払い金請求できますのでご相談ください。スムーズに和解が成立すれば1~2ヶ月で手続きが終了する場合もありますが、概ね3カ月とみていたほうがいいでしょう。

個人民事再生の流れとかかる時間

かかる期間:6ヶ月~1年

個人民事再生は裁判所に申立てを行い、法で定められた最低弁済額を3年で分割して返済できる再生計画を立てて返済していくものです。今ある借金の総額によって、一部の元金が圧縮されるため大幅に借金が減る場合があります。手続きがかなり複雑なので自分で手続きを行うのは困難で期間も1年近くかかります。

●手続きの流れ

  1. 申立てに必要な書類を揃え、地方裁判所へ申立てを行う。
  2. 個人再生委員が選任され、財産の調査や必要な勧告をされる。
  3. 申立てから1ヶ月程で個人再生手続きの開始決定。
  4. 債務額を確定、再生計画案の作成。
  5. 再生計画に基づく返済が可能かどうかの履行テストとしてお金を3ヶ月間積み立てる。
  6. 履行テストの報告と併せて再生計画案を裁判所へ提出後、裁判所から債権者に送付され、1ヶ月以内に回答が出される。
  7. 同意された後、再生計画の認可決定が約1ヶ月後に確定する。

特定調停の流れとかかる時間

かかる期間:3ヶ月~6ヶ月

特定調停は、裁判所へ申立てを行い、調停委員に債権者である貸金業者との間に入ってもらい、和解の手続きを行います。

他の債務整理と比較すると、書類作成などの手間は少ないため自分で行うことも可能かと思いますが時間はかかるでしょう。また、過払い金が発生している場合、返還請求は別途行う必要があります。

●手続きの流れ

  1. 裁判所へ申立てに必要な書類を取りに行き、必要書類を揃えて簡易裁判所へ提出。
  2. 簡易裁判所に出向き、1回目の調停では調停委員とあなたと話し合う。
  3. 2回目の調停では、調停委員・債権者・債務者の三者で話し合う。

    ※債権者は返済案に異議がなければ欠席することが多い

  4. 裁判所より特定調停の手続完了の調停調書が送られてきたら手続きが終了。

自己破産の流れとかかる時間

かかる期間:6ヶ月~1年

自己破産は、財産を全て返済に充てても支払えなくなってしまった場合に、裁判所へ申立てを行い免責を得ることにより返済責任がなくなるものです。

●手続きの流れ

  1. 破産免責申立書の他、必要書類を作成し、地方裁判所に破産申立てを行う。
  2. 申し立てした後、破産審問期日に再度裁判所へ行く。(申立てから1ヶ月程度後)
  3. 破産宣告が出て、 破産手続きの開始。
  4. 裁判所より免責が相当と認められると、数日後に免責許可決定が出る。
  5. 免責許可決定が出された後、官報に公告が掲載される。 
  6. 公告された後、免責許可決定が確定。 (これにより借金の返済義務がなくなる。)

破産決定から免責許可決定までには早くて3ヶ月程度かかります。そのため、ほかの債務整理の方法よりも期間が長くなる場合があります。

*財産がない場合:同時廃止

財産が少なく、換価する財産のない場合に破産管財人を選定せず、破産手続開始と同時に手続きを終わらせる決定を行うこと。

*財産がある場合:管財事件

土地や家などの財産を持っている場合、事業をされている方の場合は【管財事件】となるので3ヶ月以上かかる場合があります。

自己破産には同時廃止と管財事件とありますが、管財事件では、破産者の財産を調査し金銭などに換えたうえで各債権者に配当するため、財産のない同時廃止に比べると期間も費用もかかることになります。

個人では取立てや返済はすぐストップしない!

それぞれの債務整理にかかる期間は、選んだ債務整理の方法や個人の借金総額や生活状況によって異なります。

債権者との和解が必要な場合については、CMなどをやっているような大手貸金業者では、取引履歴の取り寄せなどを比較的スムーズに行えるようです。しかし、その他の貸金業者やヤミ金などは、個人の交渉では非常に困難です。

弁護士や司法書士に依頼した場合と自分で調べながら手続きを行った場合とでは、当然、専門家に依頼したほうが早く終了します。また、取立てや返済をすぐにストップさせたいという場合には、法的な強制力を持つ専門家に依頼しない限り難しいでしょう。まずは無料相談から、あなたの返済状況をご相談ください。