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【コラム27】貸付審査の基準とは?

3つの審査方法

貸金業者からお金を借りる際の貸付審査。あなたはどのような基準で審査をされているかご存知ですか?

審査方法は大きく分けて3通りになります。原則はこの3つをクリアしていなければお金を借りることはできません。

  1. 個人信用情報機関への照合
  2. スコアリング・属性モデルのピックアップ
  3. 本人の在籍確認

貸金業者は、まず申込者が他の業者から借入をしているかどうか? 借入があるとすれば、その件数と金額、契約内容や返済状況などを業者が加盟している外部の信用情報機関に照会します。そこで、申込者が契約書に記名した借入情報などを照らし合わせることとなりますので、この時点で偽った記名をすれば、業者からの信用はなくなります。

スコアリングは「自社与信」とも呼ばれ、年齢や勤務先、勤続年数や年収など細かく分け、属性に応じて点数をつけ「評価付け」を行います。たとえばサラリーマンならば5点、持ち家なら5点、借家なら2点などといった項目毎に点数をつけていき、一定の点数を満たせば融資がOKかどうか決まります。

さらに、業者の膨大な過去のデータから申込者に一番近い属性を持つ人を「属性モデル像」としてピックアップしていきます。そして、ピックアップした属性モデルが、契約後にどのような返済履歴をたどったかを検証し、申込者の利用状況の予測を立て利用限度額が決まります。

こうして内部の与信、外部の信用情報でOKが出て、勤務先や自宅へ在籍確認や本人確認が取れれば晴れて審査通過となります。

もっとも最近は、「最短30分で審査回答!」「10秒審査」「お申込み当日の融資も可能」などと謳っている貸金業者が多いため、(3)の在籍確認は省略し、(1)の信用情報機関への照合、(2)スコアリング・属性モデルのピックアップだけで融資の可否を判断する傾向になっています。

重要視される外部の信用情報

では、外部の信用情報は、どのような内容が重要視されるかについてご説明しておきます。ポイントは「申込事故はないか?」「立て続けに融資の申し込みをしていないか?」です。

●申込事故はないか?

いわゆるブラック情報というものです。現在返済が遅れていれば審査が通らない確率は限りなく高いわけですが、「3カ月以上の延滞をしている」「任意整理や自己破産をしている」などの情報が審査の基準となります。

申込事故という表現ですが、返済が1~2カ月の場合は支払いの“遅延”として扱われます。しかし、3カ月目の遅延から“事故”として信用情報機関へ登録されてしまいます。ただし、一度登録されてもその後きちんと支払いを続けていけば、やがて信用は回復されますので、一度事故扱いされたからといってやけにならないことが大切です。

覚えておいてほしいのは、たった10万円の借入でも返済が遅れがちな人は、1千万円という多額の借入でも遅れずに返済している人より信用がないということです。つまり、貸金業者からすれば、借入額が問題なのではなく、返済能力があるかどうかが問題なのです。

また、サラリーマンであればお給料が急に増えることは通常ないわけですから、今月返済が遅れていれば、来月以降も遅れる可能性は高いと判断されてしまいます。

●立て続けに融資の申し込みをしていないか?

貸金業者からお金を借りようとする方は、切羽詰まった状態であることも少なくありません。また、多重債務に陥っていれば、今月の返済をするために他社から新規で借り入れる・・・という場合も多いのです。ですので、立て続けに融資の申し込みをしていれば、「この人は、返済ができなくて多重債務に陥っているな」と判断されやすくなります。

実は、融資の申し込みをした段階で、その情報は「申込履歴」として登録されてしまうのです。毎月新規で申し込みをしていれば、「また今月も申し込んでいるぞ」というのが、信用情報機関を通じて他の業者にも知られてしまいます。ということは、他社で融資審査を通らなかったとすれば、その情報も分かってしまうということです。

あなたが貸金業者だとしたらどうでしょう? 他社の審査を通らなかった人に融資をする気になるでしょうか?

もちろん、ヤミ金などのように初めからあなたを騙して高金利で貸してやろうという業者ならば、他社の審査を通らなかった人ほど貸しやすくなります。しかし、法定金利内で融資を行っている貸金業者であれば、やはりきちんと返せる人という情報を得てはじめて融資のOKを出すはずです。

貸付審査は、こうした信用情報は新規だけでなく、過去の情報も登録されています。返済事故などがなければ、通常新規の方の情報は1カ月で自動的に消えてしまいます。しかし、遅延などがあれば登録された情報は、さらに一定期間を過ぎるまでそのまま残ってしまいます

現在も過去も問わない業者には要注意!

これは余談となりますが、同じ貸金業者でも手を出さないほうがいい業者とでは見分け方があります。このページを見てくださっている方の多くは、すでに借金の返済に困り、債務整理をしようか、できるかの答えを求めているのでしょうから、今さらかもしれませんが、こんな業者からは借入をしないほうが賢明です。

それはどのような業者かといえば、『過去も現在も問わない』という業者です。これは、どういうことかというと、業者には大きく分けて以下のような3つのパターンがあります。

  1. 現在も過去も問わない業者
  2. 現在も過去も問う業者
  3. 現在は問うが過去は問わない業者

通常、きちんとした業者であれば、融資を行う際は(2)の現在も過去も問います。過去に債務整理をしている人はもちろん、現在返済が滞っていれば誰が見ても要注意人物です。しかし、(1)の過去も現在も問わない業者の場合、保証人や担保をつけない限り借入は難しいでしょう。もし保証人や担保がなくても貸してくれるとすれば、それはヤミ金などの違法業者の可能性が高いので要注意です。

ちなみに、審査が通りやすい基準のひとつとして「連絡先」「居住年数」があります。 連絡先は、自宅の固定電話と携帯電話の両方があるほうが有利です。自宅の固定電話は現住所とつながっていることが多いため信用となりますが、携帯電話は簡単に解約され連絡が取れなくなる可能性が高いからです。

また、居住年数も信用材料のひとつとなります。借家か持ち家か、マンションかアパートか、ワンルームか3DKなのかということより、長年そこに住んでいれば、それだけ信用度は高まります。長年住んでいるところは、やはり愛着もありますし、近くに親族が住んでいたりと引っ越す可能性は低いからです。

今回は、貸付審査についてお話しましたが、すでに借金がある方は、返済が苦しいからと新規での借入を増やさないことが大切です。司法書士や弁護士など、法律の専門家であればきっと解決の糸口を見つけることができるでしょう。是非、無料相談などを利用し、一日も早く借金地獄から解放されることを願っています。