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【コラム1】悪質な取立ては法律で禁止されています

会社への電話や自宅へ押し掛けるのは法律違反

債務整理をされる方の多くは、必要以上に厳しい貸金業者の取立てに対し、精神的にも追い詰められてしまったという経験をお持ちです。

そのような方の多くは、違法な取立て行為をする業者を責めるのではなく、「自分が借金をしたから仕方がない」と、返済日に遅れてしまうご自身を責めてしまっているのです。

確かに、どのような事情があろうとも、借りたお金を返済日までに返せないことは決して誉められたことではありません。

しかし、厳しい取立てを行う業者のほとんどは、違法金利で取引を行っていたはずです。さらに、上限金利が改正された現在でも、違法金利で貸付を行っている悪質な業者が多くいます。本来なら、「あくどい商売をしているのだから、2~3カ月遅れたくらいで文句を言うな!」と言ってやりたいところです。

とは言え、約束した返済日に返せないのならば、督促が来ても文句は言えません。だからと、会社にまで催促の電話をしたり、自宅にまで押し掛けたりすることは違法行為となります。

午後9時から午前8時までの催促の電話も違法

貸金業規制法(貸金業法)や金融庁事務ガイドライン(ガイドライン)では、貸金業者の取立てについて、次のような行為をしてはいけないと決められています。

  1. 暴力的な態度をとること
  2. 大声をあげたり、乱暴な言葉を使ったりすること
  3. 多人数で債務者、保証人等の自宅などに押し掛けること
  4. 正当な理由なく、午後9時から午前8時までの時間帯に、電話をかけたりファックスを送信したり、債務者などの自宅を訪問すること
  5. 正当な理由なく、勤務先などに電話をかけたり電報を送達したり、ファックスの送信や訪問をしたりすること
  6. はり紙、立看板、その他いかなる方法であるかを問わず、債務者などの借入れに関する事実、その他私生活に関する事実を他人に明らかにすること
  7. 他の貸金業者からの借入れ、クレジットカードの使用などにより弁済資金を調達することをみだりに要求すること
  8. 債務者や保証人以外の者に対し、代わって弁済することをみだりに要求すること
  9. 債務処理に関する権限を弁護士もしくは司法書士に委任した旨の通知、またはその処理のための必要な裁判手続をとったことの通知を受けた後に、正当な理由なく直接債務者などに支払を請求すること

また、以下のような行為についても、「人の私生活又は業務の平穏を害するような言動」に該当するおそれが大きいとして禁止されています。

  1. 反復継続して、電話をかけたり電報を送達したり、電子メールの送信やファクスの送信をしたり、債務者や保証人などの自宅を訪問すること
  2. 債務者や保証人などの自宅を訪問し、債務者や保証人などから退去を求められた(「帰って下さい」などと言うこと)にも関わらず、長時間居座ること
  3. 債務者または保証人以外の者に取立てへの協力を要求した際に、協力に応ずる意思のない旨の回答があったにも関わらず、さらに当該債務者など以外の者に対し、取立てへの協力を要求すること

おそらく、借金返済に苦しむ方の多くが受けた取立てのほとんどは、上記に該当する行為だったのではないでしょうか。こうした取立ては違法であり、これらを行った業者は刑事罰および行政処分を受けることになります。

民事訴訟を起こし損害賠償を請求することも

では、こうした取立て行為を止めるにはどうすればいいのか。 1つには警察や検察庁に刑事告訴する方法があります。また、財務局や都道府県貸金業指導係、監督官庁などに業務停止などの行政処分を申し立てる方法もあります。

「そんなことをしたら余計に嫌がらせをされるのでは?」

ついつい、そんな風に考えがちだと思います。確かに、ご家族や会社などへ取立てをするような相手ですから、刑事告訴などをしたとわかれば、嫌がらせをされる可能性も無きにしも非ずでしょう。そのために、債務整理をして弁護士や司法書士などが間に入れば、告訴などせずとも貸金業者の厳しい取立ては即時にストップします。

ただ、ここでお伝えしておきたいことは、刑法に触れるような業者の悪質な取立てにより、心身ともに苦痛を受けているようであれば、不法行為に基づく損害賠償請求のための民事訴訟を提起することも可能だということです。

ケガをさせられれば傷害罪、脅されれば脅迫罪で告訴

では、刑法に触れるような悪質な取立てとはどのようなものなのでしょうか。自宅や会社に取立てにきたくらいでは、訴訟を起こすほどではありません。また、夜中に何度も催促の電話をしてきたくらいでも、訴訟をするまでにはおよばないでしょう。

ただし、自宅へ取立てにきた際、「帰って下さい」とドアを閉めようとしたところ、業者が殴りかかってきてケガをさせられた・・・ということであれば、傷害罪で告訴することができます。

この場合、10年以下の懲役または30万円以下の罰金または科料となります。たとえケガにはならなくとも、暴力をふるわれれば暴行罪で告訴することができます。そうなれば、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料となります。

また、催促の電話をしてくると言っても、「正当な理由なく、午後9時から午前8時までの時間帯に、電話をかけたりファックスを送信したり、債務者などの自宅を訪問すること」とあるように、この時間以外だとしても訴訟を起こすほどではないでしょう。

ただし、電話口で「すぐに返さなかったらどうなるかわかってるんだろうな?」「明日、全額返せなかったら会社に取りに行くから覚悟しとけ!」などと脅された場合は、脅迫罪として告訴することができますし、こうした悪質な取立てによる精神的な苦痛に対しても慰謝料を請求できるのです。

もちろん、私たちのような法律の専門家が間に入れば、こうした問題も一気に解決しますが、ご自身で悪質業者に立ち向かおうとされているのであれば、警察にご相談されることをお薦めします。

クレジットカード、年金カードなどは絶対に渡さないこと!

また、返済が遅れ厳しい取立てにあっている場合、以下のようなものを提出するよう言ってくる業者もいますが、絶対に応じないようにしてください。

  1. 白紙委任状と印鑑証明
  2. クレジットカード(担保として)
  3. 生活保護受給カード(担保として)
  4. 年金カード(担保として)

これらを要求する行為は、いずれも違法です。
(1)は貸金業規制法により制限をされていますので、違反をすれば行政処分や罰則が科せられます。(2)は割賦販売法違反となり、監督行政庁に申立てをすればクレジットカードを取り戻すことができます。(3)は借金をする際に、担保として要求してきますが、これも法律で禁止されています。

だからと言って、貸金業者がすべて悪いとも言い切れません。債務者は困っているからこそお金を借りたわけですから、返すのは当然です。しかし、法律で決められている金利を超えて払う必要はありません。ですので、借りた以上、法定金利内できちんと返す努力は必要ですし、それが社会のルールでもあります。