コラム
借金の返済を諦める前に
仕事やお金がないために自己破産を選ばれる方も多いようです。自己破産を選ばれる方は端的に申し上げれば「返せるあてがない」と言う言葉に尽きると思います。また自己破産には幾つか条件がありますが、その中でも問題となるものは、
●浪費もしくはギャンブル等で、著しく財産を減少させたり、過大な債務を負担した
と言う場合です。この情報が先立って「賭博で借金を負ってしまったので……」と言うことで債務整理を諦める方も多いようです。確かに文面を見る限り、自己破産の免責は突発的な借金を負ってしまった方のみが対象のように書かれています。これは例えば「事業を興したけれども失敗してしまった」とか「突然の病気で多額の治療費がかかってしまった」、もしくは「親の遺産を相続したら、意外なところで大量の負債が発覚してしまった」などと言うような、まじめに生活をしてきたけれども、思わぬハプニングで借金を負ってしまった方が対象と思っているのではないでしょうか。しかし自己破産は必ずしもそのような方ばかりが免責対象とは限りません。例えば「クレジットカードで買い物をしていたところ、突然親が病気になった」などと言う場合など、様々なケースが想定されるのです。そのため「買い物やギャンブルでは必ず不許可事由になるわけではない。自己破産できる事も少なくない」と考えておいた方が良いでしょう。
裁判官も人の子です。借金が返せなくて人生が破滅してしまうと言う状態の人をむざむざと見殺しにしたりはいたしません。ただし、それを良いことに「いざとなったら自己破産すればいい」と考えている人に対して厳しく接することもあります。ですので、甘えた考えを持つことなく、二度と同じ過ちは繰り返さないと言う強い決意があるのであれば、仮にギャンブルや賭博であっても免責される可能性があると考えておいたほうがいいでしょう。これは何も自己破産に限らず、任意整理や個人再生についても同じことです。法律の記述が曖昧なのはこのように個々人のケースに対応できるため、解釈の幅を広げてあるのです。
上述では債務整理について触れましたが、そもそも債務整理は「借金が返せない」と言う方がそれを免れるために行うものです。そのかわり、例えばクレジットカードが持てなくなるなど、社会的にある程度のペナルティは与えられます。確かにそれは事実です。また「債務整理をするとクレジットカードが持てなくなりますよね」というご相談をされる方も実際に多数おられます。ですが、お客さまのためにあえて厳しい言い方をすれば、それは病気で言えば、末期ではあるものの、緊急手術をすれば助かる可能性のある癌にかかっているところで「手術をしたらしばらくお酒が飲めませんよね」と嘆くようなもの。完治してから思う存分お酒でもチョコレートでも召しあがれば問題はないのです。目先の問題で人生を不意になさってはいけません。
ただし、今申し上げたように債務整理は手術のようなもの。そのため、借金を返せるあてが残っているのであれば、そちらに目を向けてみることも大切です。たばこ代や携帯電話など減らせる出費もあるのではないでしょうか。当所ではお客さまのご相談を受けた際、必ずしも債務整理のみをおすすめしているわけではありません。最も大切なことは「お客さまが人生の再起を図れるための手続きを取る」ことなのです。ですので、当所ではお客さまのご職業・年齢・ご収入や家族構成などをお伺いし、もし無駄な出費を減らせて人生の再建を図れるのであれば、まずはそちらをおすすめしています。ですので「株式で追証を出してしまった。自己破産しかないかもしれないけれど、追証では認められない」などとご心配のお客さまも、まずは当所にご相談ください。必ずお力になれると思っております。